大学職員に興味があります。国立大学と私立大学の職員って何が違うんですか?
こんな悩みを解決します。
本記事の内容
・国立大学職員とは
・国立大学と私立大学の違い
・大学職員になるならどっちがおすすめ?
本記事の信頼性
2人の現役職員が新卒・中途採用それぞれの立場から紹介していきます。
今回は、国立大学と私立大学の職員の違いについてご紹介します。
大学職員なら一緒でしょ!?
と思っている方はこの記事を読んで、その違いを把握しておきましょう。
そもそも国立大学法人って何?
「国立」「公立」「私立」という言葉を聞いたことがあるかと思います。
ほとんどの人が意味を分かっているかもしれませんが、
これは、各大学(学校)の運営母体の違いによるものです。
国立 ⇒ 国立大学法人
公立 ⇒ 地方自治体
私立 ⇒ 学校法人(若しくは株式会社)
簡単に言えば、国なのか、都道府県・市町村なのか、それ以外なのか。ということです。
今回はこの国立大学法人について、紹介をしていきたいと思います。
国立大学法人って公務員??
さて、早速ですが、国立大学法人の職員は公務員なのでしょうか?
答えは バツ(×)です。
国立大学、国立高等専門学校は、平成16年(2004年)に、法人機関となり、職員の身分は国家公務員ではなくなりました。
そのため、「国立大学法人等職員採用試験」は、国家公務員採用試験とは別に実施をすることになりました。
よく公務員志望の方はこの「国立大学法人等職員採用試験」を併願することが多いです。
理由は、第一試験の筆記試験が教養試験で、多肢選択式だからだと思います。
公務員試験を受ける人にとっては、この形式はかなり強いです。
そのため、一つでも採用可能性を上げるために、この試験を併願しています。
公務員じゃないなら給料も私立大学と同等??
国立大学は、上でも述べたように、平成16年(2004年)から法人機関になりました。
文部科学省が設置する国の行政機関から、各大学が独立した法人格をもつ「国立大学法人」となり、国が財政的に責任を持ちながら、自主・自立という大学の特性を生かした運営ができるというスタンスです。
そのため、基本的には国からの補助金率が私立大学と比べてかなり高いです。
しかし、学費は私立大学と比べるととても低いため、運営体制としては、利益率は低いということになります。
ここまでくると想像ができるかもしれませんが、国立大学法人の給料は私立大学と比べると低いです。(あくまで私立大学と比べるとですが。)
また、国立大学法人の給料は、
「国立大学法人法」により、『国家公務員や民間企業の給与、法人の業務の実績等を考慮して、各法人がそれぞれ支給基準を定め、その支給基準を公表しなければならない』
とされているようです。
そのため、極端に給料が高い国立大学というのは存在しないということが言えそうです。
東大の大学職員でも45歳年収は690万円?
日本の№1大学といえば、東京大学でしょう。
(分野や№1の定義を変えれば、他の大学ということも言えますが、ここでは、総合点を考えて東京大学とします。)
そして、東京大学は国立大学法人によって運営されています。
東京大学は年収モデルが公表されていました。
22歳(大卒初任給・独身)
月額178,200円 年間給与2,654,000円
35歳(主任、配偶者・子ども1人)
月額345,594円 年間給与5,669,000円
45歳(係長、配偶者・子ども2人)
月額422,313円 年間給与6,900,000円
45歳の年間給与は700万円に満たないんです!
東京大学といえば、日本のトップを走る大学で、もちろん研究のレベルや取り組みも先をいく大学です。
こちらの記事を参考にしてもらいですが、
私立大学の各大学比較と比べても、最底辺レベルになっています。
もちろん給料だけがやりがいではないですが、皆さんはどう思うでしょうか。
国立大学法人は楽なのか?
私立大学と国立大学の給料面を比較してきましたが、業務内容はどうなのでしょうか。
『関東甲信越地区 国立大学法人等職員採用試験』のページに仕事内容の紹介がありました。
主な業務は以下のとおりです。
学生支援
・学籍管理、成績管理・奨学金、生活指導
就職指導、センター試験対応
研究支援
・受託研究・民間との共同研究等の外部資金受け入れ
知的財産の管理
国際交流
・海外の大学、研究機関等の学術交流事業
・留学生の受入れ、学生の留学支援
・教職員の海外派遣
総務・人事
・教授会、入学式等の式典運営
・規則の制定、改廃
・職員の採用、昇任、異動、給与
財務・広報・社会連携・企画・評価・医療・図書館
等々、数え切れないほどの業務があります。そして、私立大学とほぼ同様の業務です。
詳細はこちら
出典:関東甲信越地区 国立大学法人等職員採用試験
やることは同じで給料は差がある。
国立大学法人のメリットは、国の運営による雇用の安心でしょうか。
私立大学でも有名私大であれば、急に大学が潰れることはなさそうですが…
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は国立大学職員の年収や仕事について紹介しました。
なんだ!私大職員の方が良いじゃん!と思う方もいるかもしれませんが、
年収よりも業務内容に惹かれた方は、国立大学法人の職員を目指しても良いかもしれません。
興味のある方は、ぜひ就職・転職を目指してください!